ささきさとし2 若手ジュエリー・アーティストを通して「モノ」の意味を考える

ささきさとし1 若手ジュエリー・アーティストを通して「モノ」の意味を考える の第2回目

ISETAN JAPAN SENSES 期間中に開催される
『人』から始まる、日本のものづくり『 JEWELRY & LIFE 』  2018.10/31(水)~11/13(火) 
   伊勢丹新宿店メンズ館1階=メンズアクセサリー
若手に活躍する場を与え、生活に新しい価値を提案する2017年に始まったプロジェクト。
今回はささきさとしと話したセッションの2回分の第2回目を掲載します。


ささきさとし (2)

武蔵野美術大学卒。仏のフィリップ・サジェに師事。工房一体型のショップで、デザイン・制作のキャリアを積み、独立。原石を自身でカットすることで、造形の可能性を広げている。

アートとデザイン

ささきさとし フローライトリング

米井:
帰国してからは、工房併設のショップでジュエリーを日々、とにかくつくる生活を始めますね。そこではむしろ、アートというよりデザイン、お客様が求めるものをつくる仕事でした。

ささき:
もちろん、アートとして自己表現をしたいという気持ちはすごくあります。一方で人に何か自分のつくったものをあげたい、喜んでくれる人が大勢いるという仕事というのもとても好きです。

そこで評価されて、対価としてお金もいただけるというのも、明確な一つの評価の形でもあるし。

米井:
今回、自己表現としてのアートとそこから生まれてくる、社会の方を向いたデザインとしてのジュエリーの両方をつくっていける。そういう新しい感覚を持った若手が育っていって欲しいという気持ちがありました。

今のこの時代に、アーティストの役割ってなんでしょうか。

ささき:
アートは、役割など考えるものじゃなくていいと思うのですね。自分の内面から湧き出てくるものですから。

つまり人が生きている証でしょうか。評価は他の人が決める。

きっとアーティストは、創造のネタを社会に提供しているだけ。それでいいと思います。

米井:
なるほど、そうかもしれませんね。将来的には、アーティスト活動としてはどんなことをしていきたいですか。

ささき:
大きなジュエリーなどをつくれるようなアーティストになりたいですね。

ビルのエントランスにジュエリーがあってもいい。

ジュエリーを通して、自然界からその力の一部を借りてくる。それがジュエリーのあるべき姿なんじゃないかと思います

 ジュエリーとは?

米井:
今、「モノがいらない時代」といわれますが、果たしてそうなのだろうかと思うのですね。

情報のやり取りが、一番利益を生む時代に、ジュエリーは究極のいらないモノかも知れない。

だからこそジュエリーのモノづくりをする若手アーティスト達を通して、モノの意味をもう一度考えて、その意義を訴えてみたいと思っています。

そういう想いが、伊勢丹のバイヤーさん含め、企画に携わってくださっている方々にもあって、昨年から始まったプロジェクトがこのJEWELRY & LIFEです。ささきさんは「ジュエリー」とは何だと思いますか

ささき:
ジュエリーは

「これが自分です」

ということではないでしょうか。

ここに自分がいるよ、自分はこうだよというのがジュエリーのある理由のような気がします。

<ささきさとし1 若手ジュエリー・アーティストを通して「モノ」の意味を考える

ささきさとし vaadssstokyo INSTAGRAM


「モノ」の発するメッセージとは、本来こういったまっすぐで、朴訥(ぼくとつ)に、ものをつくりたいという人のエネルギーのような気がします。
だからこそ、彼らの若い感覚を通して「モノ」の役割というものを考えてみたい、伝えてみたいと思っています。

そして、ぜひ会場に来たら、アートジュエリーを身につけてみてください。自分の既成概念がガラガラと崩れる。それがきっと楽しいでしょう。

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