「用の美」や「Applied Arts(応用美術)」の考え方がこれからのモノづくりに必要とされる

現在、草月会館で開催中のLoewe(ロエベ)のクラフトプライズがあったり、ここ連日海外のコンテンポラリージュエリーのアワードを受賞している人が多く出ているので、日本の近代ジュエリーんぽ成り立ちと今アートの世界で、注目されているApplied Arts(応用美術)について書いてみました。

日本の近代ジュエリーの始まり

日本の現代のジュエリーは、ヨーロッパのジュエリーの成り立ちとかなり違っています。

明治時代になり、刀の装飾をしていた刀剣金工の職人たちが、仕事がなくなり、始めたのが、日本のジュエリー制作の始まり。
刀 つば
それまで、刀の鍔などの刀の装飾をしていた職人たちは、大名から庇護を受けて高い技術を誇っていました。
そのため、海外から入ってきた、石がセットされたいわゆる、ジュエリーというモノを、比較的容易につくることができたようです。
つまり、工芸職人がジュエリーをつくり始めたというわけです。

用の美、機能美

日本では、1926年に民藝運動という運動が起こります。

柳宗悦・河井寛次郎・浜田庄司らによって起こされた生活文化運動です。
「名もなき民藝こそ美しい。日常に使うものこそ、美しい。」

「用の美」という考えが提唱されました。

ほぼ時代を同じくして、ドイツではバウハウスが「機能美」を提唱しています。
この時代に同じような考え方が、日本と西洋で同時に起こっていることは興味深いことです。

Applied Arts(応用美術)

今、ヨーロッパなどで「Applied Arts(応用美術)」という分野が非常に盛んになってきています。
「Applied Arts」は、絵画などの「Fine Arts(純粋美術)」に対する概念で、芸術としての美術を日常生活に応用したもの。工芸美術・装飾美術・デザインなどをさし、広義には建築も含まれる。のことをいう(出典:デジタル大辞泉
…と書かれています。

これは、デザインとアートの境目が、かなり曖昧になってきている、
アートもデザインと同様、社会の問題点を解決していくという方向性があることを感じる動きではないでしょうか。

その中には、日本では「工芸」という分野にくみされている、陶芸やガラス、木工、そしてコンテンポラリージュエリーもApplied Arts(応用芸術)の一分野として考えられています。

今、海外、特にヨーロッパではこの分野には、様々なエキジビションやアワードがあって、実は日本人の工芸作家、コンテンポラリージュエリーアーティストたちは、多くの賞を獲得しています。

Loewe(ロエベ)のクラフトプライズ

今年のロエベ(LOEWE)のクラフトプライズで日本人の石塚源太さんがグランプリを受賞しました。 
このプライズは人の手仕事とアートの垣根を超えた、コンテンポラリーなクラフトに焦点を当てたプライズです。この中には、コンテンポラリージュエリーもクラフトの一部として入選しています。
草月会館で展覧会を開催中。22日まで。http://craftprize.loewe.com/ja/home

Giampaolo Babetto Collana2017 Gold ,顔料

コンテンポラリージュエリーの国際アワード

コンテンポラリージュエリーのエキジビションでは、ドイツのSHUMUCK, スペインのJOYA Balcerona, イタリアで行われる、Cominelli awardGioielli in Fermento 
ここのところ、日本人アーティストがたくさん入選しています。

 

クラフトにしろ、コンテンポラリージュエリーにしても、日本人がヨーロッパなどのアートやデザインの先進国で認められるのは、実は工芸の素地があるからこそではないかと思っています。
日本のジュエリー・アーティストはたいてい美大で、金属工芸を学びます。

民藝運動で提唱されたように、工芸もやはり「用の美」の考えかたがあってこそ、現代につながってきている。

今、一般の人が身に着けるジュエリーにも「用の美」や「Applied Arts(応用芸術)」という考え方が入ってくることがとても大切だと思えます。

そして、ジュエリーこそ、日常に使えるArts=Applied Artsの考えに沿っているモノではないでしょうか。

それが、人間の根本的な生きる幸せや本当の意味での心の豊かさの一端を表現するのではないでしょうか。

シンコーストゥディオでは、コンテンポラリージュエリー・アーティスト、クラフトマン、生産者、様々な人が関わったジュエリーを制作しています。Kosa[交差]-Flat

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