先日、機会あって科学技術教育に特化している高校の文化祭に行ってきた。3年生が課題研究として色々な発表を行っていて興味深かった。泳ぐペンギンのロボット、本のページを自動でめくりスキャンしていくシステムなど。
彼らは高校生だしいわゆる理系お宅系の学生が多くてジュエリーとの関わりなど皆無なのだけれど、感じたのは物造りをする根幹の精神はいずれも共通しているっていうこと。
若いジュエリークリエーター達と付き合うことが増えた今日この頃、そのことを強く感じている。理系の若者は、数式を描くそれを実際は旋盤や様々な高度な機器などを使って物を造っていく。ジュエリークリエーターはデザインを描く、そしてやはりノコややすりを使って形にしていく。私たち日本人はどうしてこんなに物を造ることが好きなのか?
日本には資源もないし、国土は狭い。けれどきっと「物を造る」っていう精神にあふれているんだということを、改めて思う。無から何かを造り上げるのって、結局「人間力」なのではないかな?「物を知りたい」「造りたい」そういう欲求を元来人間というものは持っているもので、そのモチベーションを上げるのも下げるのも、環境しだい。
だから、先日行った高校で目を輝かせる青年を見ると、新しい明るい未来を感ぜずにはいられない。
そして、ジュエリーの若いクリエーターたちも今日も目を輝かせて、新しいジュエリーを目指して物造りに励む。地金に向かって一心不乱に物造りをしている姿は頼もしい。
何も無いところから、数式やデザインを描き物造りにつなげていく。それは人間ならではの崇高な創造性に満ちた活動で、ちょっと感動に心震えるのでした。
そこで、シンコーストゥディオのもう一つの活動として、若手ジュエリークリエーターを応援しています。今回はアトリエかじの作品を1ヶ月展示販売いたします。ぜひお越しください。7日以降は、ネットショップでもお求めいただけます。
シンコーストゥディオが応援する 日本のジュエリークリエーター
Atelier Kajiアトリエかじ展
11月7日(木)~12月3日(火)
場所:シンコーストゥディオ世田谷本店
〒156-0055 東京都世田谷区船橋1-14-12【地図】
(小田急線千歳船橋駅 徒歩2分)
TEL 03(3429)8077 / FAX 03(3429)8092
info@shinkostudio.com
www.shinkostudio.com
時間:AM10:00~PM7:00 (シンコーストゥディオ営業時間内)
日・祝定休
【レセプション】
11月6日(水)PM7:00~ シンコーストゥディオ世田谷本店
Atsuko Kaji本人が来場、物造りへの熱い想いを語ります。途中、シンコーストゥディオ代表米井とのトークセッション。
どなたでも参加可能。軽食あり。
Atsuko Kaji
Atelier Kaji(アトリエかじ)主宰。
アメリカ・ピッツバーグ生まれ幼少期に日本に帰国。東京デザイン専門学校工芸アクセサリー科卒業後再渡米。ニューヨーク州立ファッション工科大学、ジュエリーデザイン科卒業。ニューヨークのハイエンド(高級)ジュエリー工房で製作に没頭、物造りの真髄に目覚める。帰国後、日本の有名ジュエリーメーカー工房にて更に研鑽を積み、2013年正式に作家活動を開始。
Atsuko Kajiからのメッセージ
自然が創り出す美しいラインに魅せられて、ハイエンドジュエリーの製作経験を生かしながら、エレガントだけれど決してコンサバティブ(保守的)ではないジュエリー作りを目指しています。自然の中で時間を過ごす時、自分もこの自然の一部であることを経験しながらその楽しさを何か形に残せたらと思っています。
私の作ったジュエリーを身に着けてくださった方の心が喜びに満ち溢れていいただけることを願います。
米井 亜紀子からメッセージ(シンコーストゥディオ代表)
Atsuko Kajiさんとお会いした際、「わたしロウ付け(金などの溶接)で金が真っ赤になってツーッと溶ける瞬間がなんとも好きなんです」「真っ赤になる瞬間が夕日に見えることも」と話していました。この言葉にアトリエかじの作品は凝縮されている気がしました。作家自身が、たまらなく好きで造るジュエリー、その土台があってそこに客観的な視点をもったジュエリーこそ、人を感動させるものが生まれるに違いありません。
日本、アメリカの優秀な工房で積んだ経験に裏づけされた技術と、海外で身につけた感性をぜひご覧ください。
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