先日、ヨウジヤマモトの特集をテレビの放送で見ました。
いうまでもなく、ヨウジヤマモトは、1980年代に海外で、日本のデザイナーの先駆けとしてプレタポルテでその名をはせて長い間その独自の世界観で、日本のモード界を引っ張って来た人です。
今、ヨウジヤマモトの服が若者を中心に人気が再燃している。
その理由の一つは、若者に向けたファッションブランドやY3のようなスポーツ用品のAdidasと組んだ新しい展開などがあげられるかもしれない。
何より2009年に一度倒産してから、またそこからやり直していくのは、並々ならぬ信念があってのことだと感じています。
私は以前、1980年代に日本のモードを引っ張て来た、デザイナーたちは、金持ちのために洋服をつくっていると勘違いしていた。
ところが、数年前に本を読ませていただいて、何という勘違いをしていたのか!打ちのめされた。
プレタポルテ以前のファッション界は、オートクチートが主流であった。
オートクチュールは、高級オーダーメイド服である。
つまり、お金持ちのために一人ずつオーダーで洋服をつくるので、とんでもなく高い。
一方、プレタポルテは高級既製服。
基本的には、マーケットに向けて一般の人でも、高品質なものを買えるようにしたものと、簡単には言えるかもしれない。
とはいえ、一般人には高いけれど、オートクチュールに比べたら、多くの人に向けてつくるという意識で、洋服をつくり売っているのだ。
山本耀司さんは、いわゆる戦争で父親を亡くしている。
また、1968年にパリで起きた5月革命に遭遇して、ブルジョアに対する吐き気をもよおすほどの嫌悪を感じ、一方で社会を変えられるという気風を肌で感じたという。
番組の中でも特に心に刺さったのは
「ファッションの役割はデコレイト(着飾ること)ではない」という言葉でした。
その人の生き方、その人の人となり、そういうものが現れるものをつくることだと。
そして、怒りや悲しみを口に出して言うのではなく、ファッションに込めて表現するんだ…とも。
私が常々、一般のジュエリーに感じている違和感そのものを言ってくれたという、すっと胸がすく思いがした。
ジュエリーの役割こそ、着飾るためのものではない。
一人ひとりの人生に寄り添って、生活に日々に、寄り添っていくものだと思っている。
なぜか、そういう発信をジュエリーの業界はしないできたけれど、人々はそういう役割を求めている…と今感じます。
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