ジュエリーの肌触りを考える
「金の表面の触った感じがいいんですよね。」
先日、カスタムオーダーを依頼いただいてお渡しした後にこんなことを言われた。
実は、これはかなり目からウロコ的な指摘でした。
というのは、今までジュエリーを身につけたときに「心地いい。」と感じるのは、指にするっと入るとか、装着感がいいということだと思っていました。
ですから「表面の触った感じが、いい。」というのは正直驚きでした。
金属の表面のテクスチャーの可能性
シンコーストゥディオのジュエリーは、表面のテクスチャー(細かい模様やマットなつや消しなど)が1つの特徴だと思っています。
というのは、日本のジュエリーの基礎である金工の仕事は、いかに金属上で表現をするか?であったので、やはりそのDNAを受け継いでいる限り、それに挑戦してみようと思うし、すごく可能性を感じているのです。
リングやペンダントの金やプラチナの表面にちょっと変った質感のテクスチャーをつけたり、和彫りで模様や質感を表現しています。
理想は、布地のような表現ができたらと常々考えています。
でも今までは、視覚的に見てそのコントラストが楽しいから、という意味で、テクスチャーに取り組んできました。
ところが、お客様は触った感じがいいと、つや消しをかけた部分がサラサラして気持ちいいというのです。
五感で感じる必要性
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、が五感というのであれば、今まではジュエリー製作をする場合、視覚的に注力してきた。
それ以外は、とにかく、身につけたときの着け心地を念頭に入れていた。
しかし、これからは、それプラス金属の表面の「触覚」にもっと鋭いアンテナを張ってジュエリーをつくっていかなければと思う。
いつもながら、発想は身につける人の中にあるというか、
その感性スゴイ!とお客様をリスペクトしてしまうのである。
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