Pt900 サファイヤリング ラインの美しさだけを考えた
このリングは、とにかく美しいラインを描くことに執着したリングでした。
ラインを描きながら、「なんか違う」と思っては消し、描きなおし、美しい線を探っていきました。
きれいな線というものは、不思議と無理に描かないで、一気に描いたときに生まれることが多い。
つながった線が、どこに行って、どうやって終わらせるか。
何度か3Dプリンターで出力して、実際の形を確認しながら流れるラインの終わりを決めました。
一般的にジュエリーに関しては、あまりラインの美しさについて語られることはない。
だけど、金属のライン、質感があって初めて、石との美しい一体感が生まれるんじゃないかって思う。
(上面は細かいつや消し、側面はピカピカに磨いています。)
私たちは、日々の生活の中に、「美しいなあ。心地いいなあ。面白いなあ。」
という気持ちを持ちたい生き物なのだと思う。
何が正解かわからない時代に、
「わからなくっても、割り切れなくてもいい。」
そういう宙ぶらりんな状態を絶妙に楽しむために、
『ことば』では言い表せないものづくりはあると思う。