シンコーストゥディオ | デザイン・クラフト・コンテンポラリージュエリー JAPAN

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12/6 三塚貴仁 クリエイターズセッションナイト 開催しました

12月6日、木曜日。シンコーストゥディオ世田谷ショップで、三塚貴仁、クリエイターズセッションナイトを開催しました。

東京芸大大学院修士2年の、コンテンポラリージュエリー・アーティスト三塚貴仁さんに来ていただき、作品制作の話や、この道に進むきっかけなどを話していただき、興味深い時間でした。

クリエイターズセッションナイト 三塚貴仁 シンコーストゥディオ

なぜジュエリーの道へ?

父親はジュエリーのクラフトマン、母親はジュエリーデザイナーの家に育ちました。

そういうジュエリーがあって当たり前という環境で、育って、

小学校卒業のときの卒業文集には、すでにジュエリーの仕事に就くと書いていました。

中学2、3年の時には芸大に行こうと思っていたのです。

大学に入って一年のときは、他の様々な工芸に触れることができました、

けれどやっぱりジュエリー制作ができる彫金の方に進みました。

また、様々なアーティストと出会い、それが分岐点になってコンテンポラリージュエリーに進んだと思います。

Fractalフラクタル- 砕けた石 

「Fractalフラクタル- 砕けた石」
三塚貴仁 Fractal

フラクタルとは、砕けた石という意味のラテン語から取ったもので、「フラクタル構造のもの」という意味があります。

波が砕けたような、石が砕けたような、金属の形のものを、一番最初の始まりと考えて、

その形を組み合わせていったら、どうなるのか?

という興味が、湧いてきました。

そして次に、それがどういう「カタチ」とか、構成になっていくんだろうと..

Takahito Mitsuka 三塚貴仁

ほら、雪の結晶みたいに、「雪」という同じものなのに、

結晶の形は、ほんとうにその環境や状況でまったく違った形になっていくじゃないですか。

そんなことから、元は一つのものでも、育ったところとか、

生きていく状況によって、まったく違った人間になっていく。

「多様性」というか、

不思議だなあと、思うわけです。

 

折 - 作ろうとせず、作られていたもの

 

2017 伊丹クラフトアート展入選 作品

 

作ろうとせず、作られていたもの

 

シルバーの板を明確な目標も無く、形作って、折って、構成した『もの』です。

素材の特性を生かして、ただただ、手を動かした結果できたジュエリーですね。

2018 日本ジュエリーアート展入選 

 

人の頭の中には、

「無意識」といいながらも、実はどこかで、以前見たものが頭の奥底にあったりする。

実はそこから形をつくっているのじゃないだろうか?

その頭の中にあるものを呼び覚まさずに、金属の特性だけを観察して形ってできるんだろうか?

これを作るときは、考えちゃいけない。

手がシルバーに触れたときの、感触だけを頼りに、

金属と対話して、ジュエリーをつくってみようとしました。

この「折」のシリーズをつくるときは、意識をしてはいけないので、

なんだか、ひどく疲れるのです。

 

シルバーに転写してみる

ヤスリ、植物、生地、ワイヤーなどをシルバー一緒に圧をかけて、

そのシルバーの板にその物を転写して、現れたテクスチャーです。

ヤスリなどは、実は金剛砂(こんごうしゃ)というガーネットの細かい粉がついていて、

金剛砂のあるところは、磨かれるんでしょうか?細かいキラキラが出てきます。

笹の葉や、椿、ナイロンの生地、スチールワイヤーと、どんな感じになるんだろうと、色々試してみました。

椿の葉っぱのテクスチャー

 

自分のジュエリーブランドMitsuka

来年の3月には、大学院を卒業します。

卒業後は、自分のジュエリーブランドを本格的にスタートするつもりです。

ジュエリーとは、究極一個人への向けての贈り物だと思うんです。

だから、一人ひとりへ向けたオーダーメイドジュエリーをつくりたい。

そう考えています。

【三塚貴仁- みつかたかひと】

1993   東京に生まれ
2013   東京芸術大学美術学部工芸科 入学
2015   東京銀器会長賞受賞
2016   日本ジュエリーアート展 入選
2017   東京芸芸術大学大学院美術研究科 入学 伊丹国際クラフト展 入選
2018   在サンフランシスコ日本国総領事館 グループ展 出展
            日本ジュエリーアート展 入選/  銀座のばなグループ展
2019 3月 東京芸術大学大学院卒業予定
ウェブサイト: Mitsuka  Instagram: takahito_mitsuka

クリエイティブセッションナイトを終えて

若手のアーティスト達と話していると、本当に面白い。

芸大の学生とも、何人かと付き合ったことがあるけれど、

彼が面白いのは、アーティストとしての感性を持ちながら、1人ひとりの個人と向かい合おうといしていることです。

アート上での、自分の考えを強く主張するでもなく、

押し付けるでもなく。

対話していこうとしている。

私自身、街の宝石屋のおばちゃんで、アートなんて難しいものはわからないけれど、

彼なら、アートと一般の人をもう少し近づけることができるかもしれないと期待をしてしまう。

人が、利害や利益を考えずに

少し生まれながらして持っている、感覚とか感性とか、

そんな、微妙なところで対話ができたら、なんとなくふわっと幸せな柔らかい空気に、

世界が包まれる気がします。

そういうことが、ジュエリーの本来の役目だったりするかもしれないと思う夜でした。


シンコーストゥディオ 代表 米井亜紀子

 

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