結婚20年をむかえるということ
日本在住のオーストラリア人のご夫婦が2ヶ月ほど前にお店にいらっしゃいました。
2人の20年記念に、ウェディングリングをつくり直したいというのです。
20年。
長いようで、短くて。
お2人で歩んでこられた道のりは、おそらく平坦ではなかったですよね。
お子さんも育てて、お仕事もがんばって。
あるいは、こうやって異国の地に来ても、夫婦、家族さえいれば生きていける。
そういう強さと、穏やかさを併せ持ったご夫婦でした。
結婚指輪は安いもの-されど2人の20年の軌跡
「結婚した当時は、お金がなくてこんなリングしか買えなかったなんだ。」と、K9の薄いシンプルなリングをご主人は差し出しました。
「でも、これが2人で歩んで来た証だから、これを生かしてリングをつくりたい。」
というご要望でした。
しかし、残念ながら素材がK9で、ご希望が「Shinogi[鎬]」のリングだったので、あまりきれいに仕上がらないということで、K9のリングを溶かして、新しいリングに溶かし込む案はやめることになりました。
結局は、この「Shinogi[鎬]」のリング。
プラチナと金を途中でつないであり。側面は刀の刃のしのぎの部分をイメージしています。
ジュエリーは他の面から見たときに、驚きのある仕掛けをする
結局、残ってしまったご主人のK9リング。
何とか、身に着けられるようにしてあげたいと思っていたので、奥様が使うペンダントに変えてみました。
側面に穴を開けて、チェーンを通せるように。
そして、アコヤ真珠を一粒、中央に入れてみました。
普通の発想で、面白くない。
やはり、ジュエリーはいろいろな面から見たときに、「あっ」という驚かせて見たい。
そういう仕掛けをしておくのがわくわくします。
そこで、内側に浪葉の模様を彫りいれてみました。
アコヤ真珠とのマッチングもとても美しかった。
とても、楽しい仕事でした。
人生に寄り添える仕事の醍醐味だと思います。
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