悩む力

先日、NHKテレビ「知るを楽しむ」の再放送を見ました。

この番組は、ほんの25分程度の番組なのだが、毎回時代に生きた著名人を、現代の鋭い視点を持った知識人が語って行くという形で構成されている。
私が今回見たのは、夏目漱石の「心」を東京大学大学院教授・姜尚中が見事に読み解いていました。
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200707/tuesday.html#4
特に、その言葉の中で「悩む力」という物を軽んじてはいけない。
人が幸福だという基準は、自分と他の人を比べて、悩みが無ければ幸福という物ではない、というようなことを話していた。
「悩む力」から、人の根底から湧き出る、奥深い発想や、創作意欲が生まれてくるのは事実なのかもしれない。
ジュエリーに限らず、デザインする人間、それを生み出す人間が幸福で、満ち足りているということはとても大事なのかもしれないが、幾多の苦難のなかで、悩み、もがき出来上がって来た物のほうが強烈なメッセージを無言で発することになるだろう。
そんな負のエネルギーも、ときに人には真似の出来ない創作を可能にするのかもしれない。

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