ジュエリーの役割について- トークディスカッション

ドイツ、ジュエリー・アーティスト西林佳寿子さんを囲んで

2012年に、若手のジュエリークリエーターの育成とこれからのジュエリーのあり方への取り組みのために、ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)というコミュニティをスタートしています。
ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)
先日3月8日にドイツで活動している、コンテンポラリー・ジュエリー・アーティストの西林佳寿子さんを迎えて、このJAJ主催の座談会を行いました。
西林さんとは3年ほど前に、彼女の作品に強く魅かれて展覧会を見に行ってお付き合いが始まりました。
昨年にはシンコーストゥディオとのコラボレーション作品 Surface[面と線]のジュエリーを発表。
その後も、様々なところで地道に長くお付き合いいただいているアーティストです。
Surface
ドイツで20年以上も、アーティストとして継続して作品を売っている方です。
正直、彼女の地道な努力には頭が下がります。
でもとても物腰はやわらかで、今の日本人以上にきちんとした折り目のある方です。
彼女の作品は、一枚の紙が金属だったら?
というルールを設けて、デザインをしてきています。
ですから、彼女の作品をよく見ると、みな一枚の板からできていることが多いのです。

コンテンポラリー・ジュエリー・アーティスト 西林佳寿子

閉塞感に満ちた時代だからこそ、ジュエリーの役割がある

この座談会では、現在ジュエリー業界、ジュエリーのコンテンポラリー・アーティストの置かれている現状、そしてジュエリーがこれから担っていけるであろう役割について、かなり熱いディスカッションがなされました。

JAJ主催 座談会

ジュエリーは、いままで成功者のステイタスの象徴としてみなされてきたけれど、今は違う。
ジュエリーほど人の創造性や、クラフトマンの繊細で技巧的な技術が必要なものはない。
しかも日々の生活で、ずっと身につけていられる稀有な商材、作品なのだと。
だから、今この閉塞感に満ちた時代に、人の精神的なより所としてジュエリーが担う役割は大きい。
それは、アーティストから言わせると華美なものではなく、人の心を反映するようなとても感覚的なもの、精神的なものではないか。
という意見がでました。
あまりにも過剰な物質文明の反省から、人は生身の人間としてもっと、心に繊細な潤いをもたらすものが求められている。
私もとてもうなずける内容でした。

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