空き家から新しい価値を見出す
「日本の社会では、ジュエリー=富の象徴=金持ちを見せびらかす、あまりスマートではない人」的な
という雰囲気ができつつあるなか、ジュエリーを扱う者として、ちょっと悔しく日々書いています。
昨日だったか、久しぶりにNHKの「サキどり」というテレビの一部を見ると、空き家の廃材を引き取り、それを蘇らせて販売、あるいは店舗などに使う場合、施工までを手伝っている信州のリサイクルショップを取材して、放送していました。
空き家に使われている、床板や昔のガラス、あるいは指物などを引き取って、それをきれいにして販売している。
空き家の持ち主には、やはりそれなりに住んでいた当時の思い入れがあり、それが再生されるという意味で、とても意味がある仕事になっているようだ。
しかも、おしゃれ。
これを「アップサイクル」というと、ゲストで出演していた、ソトコト編集長の指出(さしで)さんが解説していました。
元々がアップサイクルであるジュエリー
「リサイクル」が再循環、製品化された物を再資源化し、新たな製品の原料として利用すること(Wikipwdiaより)であるならば、
「アップサイクル」は、使わなくなったものを、新しいものに変えて、価値を高めることだという。
この考え方は、すごくジュエリーに当てはまる。
というか、ジュエリーの本来の役割が、こういった家族の想いをつなぐとか、大切な人の気持ちを表すとか、そういうところにあり、それをまさにリフォームなどによって、今使える形にする。
まさに、元々アップサイクル。
たとえばお母様が使った、結婚のときに買った、などなど、高いものだからこそ、そして小さなかさばらないものだからこそ、時代を超えて、引っ越しても人はもち続ける。
それを、今の自分のライフスタイルに合わせて、つくりかえる。
リ・サイクル、アップサイクルのいまいちな部分
ただ、「リ・サイクル」「アップサイクル」がいまいちになってしまう理由は、プロのきちんとした仕事が入るかどうかで決まると思います。
たとえば、イッセイミヤケが手がけるアップサイクルの洋服は、確かに完全に「アップサイクル」と言われる原型を感じさせないクール感があるし、ステラ・マッカートニーなどが出がける洋服にはかっこよさがある。
だから、いかに持続的に仕事を続けて、お客様にも喜んでもらって、しかもつくる人にもいい循環が生まれるかどうか?ということは、ポッとでてきたアイデアだけでは無理です。
日々地道な仕事の積み重ねをしている、ものづくりの人たちをないがしろにしては不可能なのです。
そこに、上質感が生まれ、人間が積み上げてきた仕事が結集する。
しかし、実はそのものづくりの現状がとても大変なことになっているとおもうのです。
それではじめたのが、ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)という活動です。
この活動については次回書きましょう。
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