昨日、麻布十番のギャラリーでコンテンポラリー・ジュエリーアーティストたちのグループ展があったので行ってきました。
そのついでに、すぐそばにある麻布の私の祖父祖母が眠るお寺へ行ってきました。
六本木ヒルズのふもとにありながら、お寺の中は私の子供の頃からまったく変わっていない。
周りには、外国人向けの豪華ホーマット(マンション)などがあるなかで、この麻布でも一番土地が低いであるかと思えるこの場所は、取り残されたかのように静かなのです。
まず、平日のこんな時間にお参りに来ている人もいない。
ここに来ると、東京の都市ってなんなのだろうとつくづく思います。
このお寺の中のゆっくりとした時間と、六本木ヒルズ界隈のすごく早い時間の流れ。
お寺は忘れ去られた時代の象徴のような気さえします。
でも、きっとどちらもが今の麻布、東京なのだと思います。
ジュエリーをつくるとき、今の時代のスピードとは違う、もう少し長いスパンの時間を考えるようにして、提案をしようと思っています。
短いサイクルで、どんどんモノやコトが変わっていくのもいいでしょう。
その一方で、人の人生を飛び越えるくらいの長さで物事を考えていくことも、きっと何十年もすると、価値があると見返されるかも知れない。
このジュエリーをつくった私たちは、数十年で死ぬかもしれないけれど、その後にもそのジュエリーは残るわけです。
そこに、つくった人の精神的な何かが、時間を越えて静寂の中に息づいているような気がします。
モノは、静かに物語る。
そうでありたいといつも思います。
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