毎日の生活に着けられるもの
近頃お店にくる、カスタム・オーダーやリフォームのお客様の要望が、「毎日の生活に着けられるもので」という言葉を耳にする。
シンコーストゥディオのジュエリーがそういったことを基本コンセプトにしているから、当たり前といえば当たり前なのですが、それにしても最近とてもよく言われる。
先日もほぼ日の中で、糸井重里さんが今は「心の時代」だと書いていましたが、それをとてもに感じます。
でも、その「心の時代」は特別な日のことじゃなくて、日々のなんでもない日を大切に大切に生きて生きたいよね、ということなのではないかと思うのです。
日本では震災を経験して、その他世界的にもテロや戦争といったことが次々と起こって、日々のなんでもない日が続いていることが、なんとすばらしいことか、いとおしいことか、ということを人々は感じてしまった。
だから、日々の生活の中に、たとえばこのリングのように、ずっといつでも身につけていられるようなジュエリーを着けているのもいいと思うのです。
そう考えて、デザインを起こすのです。
ジュエリーのイメージは、バブルの時代に出来上がった富の象徴としてのイメージが強いけれど。
きれいだとか、キラキラしていることは心をひきつけられるけれど。
けれど、
それ以上の何かがをジュエリーの中に閉じ込めたいと思うわけです。
引き継いだり、時代を越えていったりする、人の心の奥底のもの。
「なんでもない」その一日一日に、ただそこにあるモノというのがいいと思うのです。
不思議な国のアリスで、バカな帽子屋が「なんでもない日、バンザイ!」って歌っていたことの意味を最近やっとわかって来ました。
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