年の終わりに、小林京和さんの、ステンレスのブローチを買いました。
あまり、知られていないけれど、日本にもこういう造形的に優れたコンテンポラリージュエリーを地道につくっているアーティストがいます。
その日々は常に地味で、とにかく「つくりたい」という情熱でものづくりをしている。
今年2020年は、コロナの感染が世界の動きを変えてしまった年でした。
私たちが、正しいと思っていたもの、良いと思っていたもののメッキがはがれ真実が露呈してしまったように思います。
今まで、「感覚」とか「感性」とか、そういう非合理的なものは、なかなかお金にならないのであまり重要視されてこなかった。
いや、むしろ排除されてきた。
でも、世界がこんな状況になってしまった今、人間はもっと生まれながらの本能を味わうべきだと思う。
例えば、このブローチを見たとき、身につけたとき、本当に形がきれいで。
それはよくわからないんだけれど…なんだかスーッと心が気持ちよくなる、静まる。
「なんだかわからないんだけれど」
という感じ。
実は、究極、そういうのが、人が生きていく理由だったりするのではないかしら。
世の中は、人がすべてを操ることはできない。
「世界の実相は因果を超えた縁起の中にある」という南方熊楠の言葉を、思い出し、時を超えて彼の言っていたことの真意を感じるのです。
* 因果-原因と結果。縁起-他との関係が縁となって生起すること。(ブリタニカ国際大百科事典 )
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