現在開催東京都庭園美術館で開催されている「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」に行ってきました。
4月にトークセッションに来ていただいた、建築家の伊東豊雄さんがこの、展覧会の会場構成をなさっていて、トークセッションの時、ちょうど伊東さんがブラジルから帰ったばかりで、撮ってきた写真などをプロジェクターで見せくださいました。
なんとも、楽しい椅子なんです。
そのツルンとした木の丸さ、動物の表情がとても温かい、けれど力強い。
一本の丸太から削りだしてつくっていくと聞きました。
このブラジル先住民の椅子とは、ブラジルには多くの先住民がいて、彼らは4000年以上前からこういった椅子をつくってきたというのです。しかも、それは、民族ごとに様式や制作、文様などが違うようです。現在は主に、アートとしての椅子、呪術などに使われる椅子など。
触ることはできなかったのですが、実に触れて、感じてみたい椅子でした
バクの椅子
4月にジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)で開催したトークセッションで、伊東豊雄さんが、この椅子の紹介をした一つの理由は、日本のデザインというものが「とにかくソフィスティケイト-洗練され-ていればよい」、ソフィスティケーションする技術だけに走ってしまうと、とてもつまらない。
「明るく、楽しくて、嬉しいものなんだよ」っていうデザインが必要なんじゃないかということを話されていました。
人間は、プリミティブな動物的な欲望みたいなものがなければ、人間はもう死に近いところにいる。
*プリミティブ:原始的
同時にトークセッションに加わっていただいた、鹿島布目4代目継承者の金属工芸作家、鹿島和生さんも、「自分の作品が、見る人に緊張を強いるものではいけない」と、同じようなことを話していました。
今までの、自分たちが出してきたジュエリーは、人に緊張を強いていないだろうか。
もっと、明るくて、楽しくて、嬉しくて。
私は、ジュエリーを身につける人が必ずしも幸福に満ちたばかりではないと考えていて、でも、むしろだからこそ、楽しくて、嬉しくて、やさしいデザインが必要なのかもしれないと思いました。
そして、この展覧会がもう一つ、問題定義している、『アート』については、もう少し後で書きましょう。
コメントを残す