ジュエリーのリフォームは自分史のたな卸し
ジュエリーのリフォームって聞くと、デパートなどで、枠があってそれに石を入れていくのを想像するかもしれない。
それもいいけれど、ジュエリーこそオーダーメイドで注文するのがいいと思っています。
洋服やその他のオーダーもあるけれど、ジュエリーはオーダーメイドをすべき究極のものでしょう。
なぜなら、ご自分が何かの縁で昔買ったリングやお母様、お祖母様から受け継いだものを、直して、復活させ、そして身につけるからです。
その石には、歴史が詰まっている。
それはファミリーの歴史だったり、ご自分が頑張ったときの記念に買ったものだったり。
高額だからこそ、なにか非常に想いがあって買っていることが多い。
国を渡るストーリー
私がこの仕事をしていて、いくつかのアンティークと呼ばれる、古いジュエリーを手にすることがあります。
以前日本にいらっしゃったアメリカ人のお客様。
おそらく150年ほどは前ではないか?と思われる1Ct以上のダイヤモンド、枠は金のリング。
カットも未熟で、石は少しかけてしまっているのだけれど、歴史を超えた気品を感じました。
聞くところによると、アメリカに移住する前、祖先はオーストリアにいて、アメリカに渡ってきたといいます。
どうやらそのときの、オーストリアから持ってきたものらしいのです。
ジュエリーという物は
1.劣化しない。あるいは、何年たっても修理や磨きなおしで同じように光りだす。
2.小さい
3.それなのに高価
4.想いが詰まっている
という特性から、国を渡って、時代を超えて、人の心の支えになりうる不思議なものなのです。
今、自分のライフスタイルや考えにあったものに、ジュエリーをつくりなおす
だからこそ、自分のライフスタイルや生きかたを考えてみて、それにあったジュエリーにつくり直してみたい。
自分史をたな卸し。いったい今の自分はどうやって歩んできたのか?今の、自分にリンクするデザインは?
そんなことを考えてもらいたい。
だからこそ、カスタム・メイドのジュエリーリフォーム
だからこそ、カスタムメイドでつくりたい。
ぜひ、たのむときに、リフォームするジュエリーの物語を話しましょう。
確かに、注文する側も、受ける側も時間や手間がかかるでしょう。
シンコーストゥディオでは、デザインを起こし、デザイン画を提示し、途中で1から2回ワックス確認や、金やプラチナの段階になったものを確認していただき、お客様と一緒にものをつくり上げていきます。
決して安くはないでしょう。
大量生産ではなく、デザイナーが依頼主一人のために、その方の人生や、生活に想いをはせてデザインを考え。
また、クラフトマンも、出来るだけその方の要望に沿えるように1つずつ課題を解決していきます。
でも、相談だけはしてみてください。
一生に一度でもいいのです。納得したジュエリーを身に着けてほしい。
過去に対する挑戦でもあるジュエリーリフォームのデザイン
私がデザインを提案する場合に気をつけている、あるいはデザイナーに言うのは、必ず提案の中に1点は挑戦的な技法や、ラインを入れること。
たとえば、石留め。
技巧的には難しいけれど、こうしたらハッとする。
側面から見たときに、石のキューレットという、石の側面が見える、とか。
鏡面効果を使ってみるとか。
つや消し感に風合いを持たせるとか。
それはざまざまなんですが、「今を生きる。」ってやはり、過去に対する挑戦であったりもするわけで。
そのあたりは、ジュエラーとしては果敢に取り組んでいくべきだと思うのです。
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