太陽の塔、力強い活力- ジュエリーをつくるとき

岡本太郎 太陽の塔*プリミティブ (primitive): 原始的、素朴な

先日、用事があって大阪に、ちょっと足を伸ばして万博記念公園に行ってきました。

太陽の塔を近くで見たのはこれが初めてでした。

このちょうど1週間前に、私が主宰するジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)で伊東豊雄さんとのトークディスカッションがあったばかりでした。

そこで伊東さんが「人間、プリミティブな動物的感性がなくなったら、本当に死に近いところにいる気がする」という話をしていました。

今回、太陽の塔を見て、「あーそうだったんだ。岡本太郎ってそういうことを言いたかったのか」って少しわかったような気がしました。

今の先進国の都市は、特に東京は、安心、安全で、きれいな都市を目指してきたけれど、それだけだと、本来人間が持っている、情感豊かな感性とか、欲望とか、そういうモノがどんどん薄まってきてしまっている。

それって、つまらない。

岡本太郎 太陽の塔

本来、人間だって自然の一部なんだから、自然の中から何かをもらって生きている。

一方、人間というやつは、欲望に満ち満ちていてどうしようもない。

けれど、まぁいいじゃないか。

それも「生きる」っていう活力なんだと、思う。

この太陽の塔を見ていると、原始的であるけれど、そういう生き生きとした、力強い活力みたいなモノを感じる。

きっと、この塔に多くの人が魅せられる理由の一つなんじゃないだろうか。

これから人が生きていく上でのヒントみたいなものは、きっと自然に近いところ、子供だとか、太古の歴史から引き継がれてきた野生的なものにあるように思えてくる。

洗練されているデザインだけが、意味があるデザインってわけじゃないんだよな。

自然的な、有機的な何かが存在したら、もっと心地よくて、楽しくて、ゆかいだ。

それが、人間には不可欠な感情なのかもしれない。

ジュエリーをつくるとき、それを考えていけたら、少し意味のあるモノになるかも知れない。

そんなことを思わせてくれる太陽の塔でした。

 

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