私は近頃とてもわからない。
アートや工芸作品は、
「それをつくる個人が社会に向き合う個人的な意思表明であって、その発生の根源はとても個人的なもの」らしいです。(原研哉「デザインのデザイン」から)
だとするなら、「その作品は社会に何も与える必要は無いのか?」
ということです。
ちょっと難しく、書いてしまいました。
つまり、カタチや技法が面白ければ、それでいいのか?ということです。
また、アートはコンセプトが大事というけれど、大仰なコンセプトを掲げていても、なんだか表面的で足が地に着いていない気がするのです。
一方デザインは「社会の問題を解決するためにある」から、社会に向くのが大前提です。
では、アートは社会の問題で困っている人を救う必要はないのかなあ?と思ってしまうのです。
むしろ、アートこそその役割を果たせると思うのだけれど、やっぱりそんなものを求めるものではないのだろうか?
美大や大学や、そういった教育機関で真っ先に伝えるべきは、「君たちはアートの才能があるからこそ、それを人のために使いなさい。そういうアーティストになって欲しい」というメッセージではないのかな。
そういう、核心を伝えずに、形や技法を教えていくのは、何となく違う気がする。
これからの若者には、そういう、心をもって作品づくりをして欲しい。
そういう心構えができれば、おのずと作品には魂が宿ってくるように思える。
人をひきつけるような気がする。
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