エルマーのぼうけん-この夏にゆっくりしたひとときを

夏休みにはいったので、学校などでは読書感想文なる宿題が出ているようです。
先日ふと本棚に目を向けて久しぶりに手にした本、「エルマーのぼうけん」「エルマーとりゅう」「エルマーと16ぴきのりゅう」の3部作。(福音館書店刊/渡辺茂男訳)
本当に大好きな本で、小学校1年の時に小学校の先生がクラス全員に「エルマーのぼうけん」を読んで下さった。
当時、なんて楽しく、ワクワクする本なんだろうと思いました。

小学生エルマーが、どうぶつ島に金の翼をもったりゅうを助けに行くという冒険物語。
子供の頃、どきどきワクワクして読んだ方も多いはず。
先生に本を読んで頂いた後、親にせがんで「エルマーとりゅう」「エルマーと16ぴきのりゅう」の2冊をせがんで買ってもらい、その後、自分の子供がこの本を読む歳になったとき、以前から欲しかった「エルマーのぼうけん」をやっと手にいれました。

調べてみるとこのほんの原題は「My Father’s Dragon」で、「ぼくのおとうさんのりゅう」。
子供の頃は「ぼくのおとうさんのエルマー・エレベーターが小さかったときのこと・・・」というくだりの意味がよく分からなかった。

どうやらエルマー・エレベーターの息子が書いているということが最近になり判明。
1951年アメリカで出版され、ルース・スタイル・ガネットが文章を書き、なんとあの印象的な挿絵はルース・クリスマン・ガネットで実の母親だそうです。
あのような冒険物語が、何とも家庭的な中で出来上がっていたと思うと驚きです。
特に本の扉の裏に描いてあるどうぶつ島の地図は何度見直したでしょうか。
地図が物語を読む子供の想像力を更にかき立て、自分もそこにいる錯覚すら感じてしまうほど。

本当に楽しい本だと思います。
この本を読んでくださった先生は、この本を授業で読んだ数年後、癌で亡くなってしまわれたのです。
厳しいけれど、私に人生の豊かさを教えてくださった先生でした。
担任を離れた時にも、1冊の本を私に下さいました。
今の時代、インターネットやゲームなど様々な情報が溢れていますが、時にはゆっくり本を楽しんでみるのもいいかもしれません。

この本を手に持つ度、人の心に、想いを残すということはこういうことなのだ、ということをしみじみと感じています。

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