先日、私が主宰している勉強会、ジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)で、Fusion360という、3DCADソフトの勉強会をしました。
Fusion360は、日本に入ってきてまだ数年しか経っていないソフトですが、スタートアップのデザイナーやものづくりをする人でも、気軽に始められる価格設定です。
とはいえ、近年のソフトは、その高機能と共に習得するためには、それ相応の努力と気力が必要なわけです。
そんなわけで、若い学生やアーティスト達にも、こういうソフトを使って創作のアイデアになればいいなと思い、金属造形作家の坪島悠貴さんにお願いし、リングをつくってみるという実践的な勉強会を開催しました。
コマーシャルジュエリーの制作は、いままで、デザイナーが平面を描き、それを立体に起すのは、職人たち。
という流れがありました。
しかし、こういった新しい、気軽なソフトが出てきたからには、どこかで、デザイナーがもっと立体で問いかけようよ!と考えたのです。
一方、アートとしてコンテンポラリージュエリーの制作をしている人たちは、金属には向かい合うのですが、CADソフトを使えている人は、ごく一部。
トランスフォームする、金属工芸
今回、この勉強会の講師をお願いした坪島悠貴さん。
若手の工芸作家で、主にこのFusion360を使って、一般人ではとても到達できないほどの複雑な構造の「可変金物」と名付けたトランスフォームするシルバーの金工作品を制作しています。
この狛犬が鳥にトランスフォームします。
これをこの立体造形ソフトでつくっています。
FUSIONは可動域を計算できるのが、非常に優れた機能の一つなのです。
これは、アートか?又は、工芸か?はたまた、ガンダム系のトランスフォームするおもちゃの類か?
議論は分かれるところでしょう。
しかし、Fusionがまだ英語版でしかリリースされていない時代から、自分でGoogleったり、情報を探しながら試行錯誤して、機能を使い倒して、ここまでの域に達するのは、普通の感覚では無理でしょう。
だれも踏みこまなっかた世界に、自分で道をつくっている。
唯一無二の世界だと思うのです。
3Dソフトがもたらすものは
確かに、機械で描きあげたラインには、いまいち人間らしい、感性を感じられない。
と思う人も多いでしょう。
しかし、描いたデーターを3Dプリンターに落とこんで、最終的に金属をするとき。
そこに人の手が入ることで、様々な創造性が生まれる。
アーティスト、デザイナー、そういう専門の壁を越えるっていうことがいいと思っています。
いままで私たちプロしかできない!と思って勉強を怠っていると、一般の素人、やすやすと抜かされてしまう。
それが、技術の進化というもの
プロには心して欲しい。
いつも新しい情報をアップデートしながら、新しい独自の世界をつくっていく。
今は総クリエイターズ時代なのである。
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