デザインと地域社会- おとなの遠足から

おとなの遠足 2022年4月

4/16土曜日、シンコーストゥディオが主催した第2回目のおとなの遠足「谷沢川沿いに行く!古墳と等々力渓谷」を開催しました。

この遠足は、コロナの始まった2020年、人との交流が疎遠になってなにか楽しいことはできないかな?

歩いて感じる・地域を楽しむ「おとなの遠足」とタイトルをつけて、地域に住む人たちを誘って始めた遠足です。

遠くにいけないなら地元を知ろうよ。

狭い間所で密がだめなら、屋外で遠足しよう!

できることを少しず工夫して、人と人がつながるきっかけになったらと思い始めた遠足です。

前回の遠足は国分寺崖線を岡本静嘉堂文庫あたりまで歩きました。 
第1回 歩いて感じる・地域を楽しむ「おとなの遠足

谷沢川をたどって、古墳、等々力渓谷まで

今回は、谷沢川という川をたどって歩いていきました。

等々力渓谷のことを皆さん知っているけれど、その川はなんだか知らないのではないでしょうか?

私も長く世田谷に住んでいましたが、まったくその水がどこから来ているか知りませんでした。

色々調べてみると、谷沢(やざわ)川という川がその源流らしく、しかもその川は、近所の農園周辺の湧き水が源流らしいということがわかりました。

当日は、中杉キッチンガーデンという農園主、中杉玲子さんにもご案内いただいて、世田谷区桜丘4丁目付近に小さな水路を発見。

しかもそのそばには、雨の時溢れたら水をためる遊水地の公園までありました。

その後、暗渠になってしまう川を追いかけて、途中「谷沢川湧水池跡」の碑を発見。

用賀を超えて、首都高の下で、やっと谷沢川は姿を現し、国道246号線を渡ると遊歩道になって、ハナミズキがきれいでした。

その後、野毛大塚古墳→等々力渓谷、横穴古墳などを見て回って、古代にロマンを馳せる時間でした。

朝方は雨だった天気も、カラッと気持ちよく晴れて、久しぶりに皆さんいい笑顔で「はい!チーズ」

偶然の地域のつながりのドキドキが楽しい

全長およそ7Kmの距離を、今日初めて会ったような人たちが、何でもない会話をしながら、歩きました。

あるいは春の空気を感じたり、景色を見たり、楽しみ方は人それぞれ。

でも、一つ共通しているのは、自分が住んでいる地域を楽しもうという気持ちでしょうか?

そして出会った人たちとも、偶然にも、今日会えたということに、心がときめきます。

今は、ネットでなんでも検索し、予約していく時代。

なんでも予定を立てて、動く時代。

でも、偶然の出来事って、思いっきり気持ちがドキドキして楽しいんですね。

歩く道やスケジュールも、臨機応変に変えて、参加者の方々の方が、地域のことを知っていたりして、突然先生になってもらったりします。

デザインとローカル(地域)

ジュエリーショップでなんで遠足?

そう思うかもしれません。

けれど、これはジュエリーショップだとか、そういうことではなく、地域の人たちと楽しめることを一つずつやっていくこと。

それが、私たちの地域にあるお店の役割であり、それは私たちのものづくりとつながっています。

今回嬉しかったのは、遠足に参加した何人かの方々が、うちでつくったジュエリーを着けて遠足に参加してくださったことです。

日々に使えるジュエリーをデザインしつくってきたつもりだったので、実際にこうやってカジュアルな場面でも着けてくれていることに、とても感激しました。

デザインと地域。

デザインとローカル。

得てして、それは感性の優れたデザインとは反対のベクトルを向いているように思われがちだけれど、人々の心地いい生活には、デザインを味わう感受性が大切だと思います。

一方で、デザインする側も、人々の中に飛び込んで、実感を得てデザインをしなければならない。

北欧やヨーロッパなど、デザインが生活に浸透している国は、やっぱり多様な人たちがとても生きやすい国づくりをしているように思います。

私たちが昨年リリースした『MENTOSEN』は、『面』や『線』の美しさを追求して「複雑化してしまった世の中で、周りの装飾や雑念を払って、本当に大切なのはどんな輪郭だったのか、どんなことだったのかを考えてみよう」というものづくりです。

「人が幸福に生きていくにはどうしたらよいか?」

という視点でものを考えるのがデザインの本質だと、私は考えます。

だからこそ、まず、自分たちのホームベースである地域とつながり、人とつながり、人が求めていることを知り、デザインをしていく。

そそういうものづくりの方が、足が地についている感じがするのです。

遠足は、等々力渓谷のお不動さんの高台にみんなで登って、飛び切りの笑顔で写真を撮って、たのしい遠足を終えました。

楽しかった。

第2回おとなの遠足 2022年4月

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