近年、本業のジュエリーの仕事とジュエリー・アーティスト・ジャパン(JAJ)という活動を通して、アーティスト、デザイナー、クラフトマンの方々とつながって、仕事に発展することも多い。
でも、私自身は美大を出たわけでもないし、絵も描けなければ、ものづくりもできない。
ましてや、アートのセンスなんてない。
ただ、自分が「おもしろいなー。」と思うものは、やっぱり評価したいし、世の中に出してみたいという気持ちになる。
今までは、ものづくりができないことに、とても劣等感をいだいていた。
また、どの分野の人たちのところに行っても、「分野外の人」と見なされることが多くて、居心地がいいとはいえない部分もあった。
でも、その世界で飛びぬけていい仕事をしている人に限って、オープンで寛容で、私のような外部の人間を暖かく受け入れてくれる。
「米井さん、なんだかわからないけど、まあおいでよ。」
みたいな感じで、呼んでくれたりする。
そこで、また色々学ばせてもらうのだけれど、やっぱりアーティスト、デザイナー、クラフトマンになれる訳もない。
やっぱり私は外から見ている人間でいいだろうと最近思う。
正直、アートとかデザインとか、精緻な職人の世界とか、理解しずらい部分もたくさんある。
けれど、一般人の目で「いいな」と思ったものを、自分の仕事として取り入れていく。
時にはお金にならないかも知れないけれど、私と同じ感覚の人たちが、直感的に「いいなあ。」と思うものを紹介できたら、若手も育つしそれがいいのだろうと考えるようになった。
ジュエリーもそうだけれど、本当にいいものを見ていくと、ほんの少しは、書いたり、紹介したりして、仕事につなげていけることがある。
そうやってつくり手と、今生きている人をつないでいくこと。
そんなことぐらいしかできないが、それが楽しくもある。
アートとかデザインとか、クラフトマンシップとか、継続的に勉強しては行くけれど、一方で普通の人の感覚で見つめていくことも大事だと、今思っている。
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