やっぱり、江戸末期の頃の金工の仕事は、本当に楽しいですね。
多分、これは金工に限らず絵画や浮世絵などにも通ずるものなのでしょうが、実にウィットに富んでいるんです。
龍門の鯉水滴(東京国立博物館)
硯で墨をするときに使う、水を入れておくものです。
顔が龍で体が鯉。水が出るところに丸い穴が開いているせいか、なんだかとっても滑稽ですね。
これは、刀に付く装飾、目貫)ですが、お猿さんの動きが実にリアル。いいですよね。
社頭旅人図小柄_猿猴図目貫
この立体感、どうやって出したと思いますか?打ち出しといって、鏨(たがね)でたたいて金属を延ばし、形を造って行くんですね。しかも、日本の打ち出しは、裏もきれいではなくてはいけない。ということで、後ろからたたかないで、前からたたいてもりあげていくのです。
本当に、ばかみたい。バカみたいなことを、ほとんど命を懸けてやっている。そういうところに、本当の真実のモノができあがるんだなと、思います。
コメントを残す